日本の高度成長を作ってきた方々は私たちの先輩です。
左手の5本のうち3本の指先が無く、「戦争で相手の弾があたった」方がいました。
戦場で生死をさまよって生きてきた方々に間違いないと思います。
一人暮らしで、100歳近い笑顔の優しい、そのおじいさんは、よく私に聞いてきました。
「〇〇に困っているんだけどどうしたらいいのかねーー」
「〇〇したいんだけどどうすればいいのかねーー」
県営アパートに住まれていて、決してきれいな身だしなみや部屋ではなかったですが
心はきれいな方でした。
息子さまも立派に育てられて、礼儀正しい息子様でした。
「同居しようと何度も話したけれど、ここで一人で良い、と言われて・・」
とおっしゃられていました。
誰にもあまり迷惑をかけないように過ごそうとされていたのかもしれません。
間違ったことや暴力が嫌いで、
何か理不尽な話や言動があると「どうしてそういうことをするのですか?」と
杖をついて、よぼよぼの足取りで相手に近寄っていきました。
普通の人であれば「相手が悪い。近寄らないでおこう」と思うような時も
毅然と、普通の態度で
「私は耳が悪いので良く聞こえません。はっきり大きい声で言ってください」
と相手に近寄っていきました。
おかしいと思うことは、はっきりと言う。
最後までタバコは肌身離さず、自宅でもテーブルを焦がしながらも吸っていました。
肺炎が悪化してお亡くなりになられましたが、その生き方は、いつも私の記憶に生き続けています。
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