お看取りについて③

もし選べるなら、どのような人生の幕引きがいいのか？を考えますが、病気のがんで亡くなる際に介護で携わるということが多いように感じます。

がんの看取りのケースでは、幸いにもがんの症状が急激に悪化するのは最後末期の状態で、それまでは普通の暮らしを保つことができていることが多いです。

ご本人の意思をご家族やその重要な方々に伝えることができるのは幸いですし、本当の最期を看取っていただきたい方に見守られることができるのも幸いなことです。

ご本人が、がんの痛みなどを忘れて普通に過ごせているのをみると、本当にがんの病気になっているのか、これが日常ではなくなってしまうことが信じられません。

ご逝去後に、いつもいるはずの人がいないことを感じ、これは事実であったとふと感じることになりますが、事実を受け入れ現実感を持つことはなかなかできないかもしれません。

伴侶をなくされた方には何もする力が起きず、しばらく時間だけを過ごすことが多くなるかもしれません。

しかし、何かのきっかけにより、また、時間をかけてゆっくりと、残された人は、その思い出とともに残された命を時間をかけて有意義に過ごすことが、亡くなられたご本人のための供養になるのではないかと思います。